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大友の姫巫女

チラ裏一発企画 次章の予告を映画予告風に作ってみた

「娘よ。
  孫の祝いを受け取るがいい」

 その報を指し手の一人は月山富田城を眼前に呟き、

「チェックメイトよ。
  おじいさま」

 もう一人の指し手は府内の復旧する町を天守から見下ろして吐き捨てた。

 


――西国の覇者を決める戦は、本当の大将無しで始められた。
  だから、人が駒のように動き、駒のように死んでゆく。
  そこに、倒れる死体や流れ出た血で染まる大地を指し手は見る事無く――

 


「やっと始めおったか。
  正行。お主には働いてもらうぞ」

「では、西へ?」

 同じ才を持つ若者に、老いてもなお知略盛んな謀将は凄みのある笑みで言い放った。

「東だ。
  織田の若造に話をつけてこい」

 


――西の戦に天下が動く。
  誰もがその戦を注視する――

 


「猿。
  ありとあらゆる手を使って、この戦を集めろ。
  何が起こったかを全て俺の所に持って来い」

「はっ。
  で、殿はいかがするので?」

 そう問うた猿顔の重臣を睨み付けて殿と呼ばれた男は笑う。

「出迎えるに決まっていようが!
  新しき公方と共に、京でな」

 


「一月、かの地で持ちこたえてもらいたい。
  分かっていると思うが、この戦次第で月山富田の……」

 船団を眺めながら、若武者は水軍大将乃美宗勝の言葉を遮った。

「分かっている。
  ところで……」

 浮かんだ笑みは自然体で、高野監物を討ち取った自負も見せずに淡々とその事を確認したのだった。


「戸次鑑連。
  討ち取ってしまっても構わないのだろう?」

 


――毛利軍先鋒、筑前国芦屋に上陸――

 


  その報を聞いた雷神と称えられし男は、ただ地図の芦屋を指して全軍に進撃を命じた。

 


--島津が龍造寺が長宗我部が、全ての大名達がその戦を注視する。
  戦の規模、外交・謀略、経済から軍事衝突……
  明らかに他の戦とかけ離れたこの西国の一連の戦を、後の史書は『戦争芸術』と名づけた――

 

 大友の姫巫女 戦争芸術 終章 宗像合戦 開幕

 

――乱世はまだ続く。
  だが、その終わりの始まりは、今、この戦から始まる――

 

 

 作者より一言。

 書いても書いても終わりが見えない作者です(泣)。
  で、自身の情報整理をかねて、話を映画予告風に一部公開。

 この展開に驚いてくれたら私の勝ちです。


 


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